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旭館だより

アカウオの話

2012年5月30日 水曜日


今頃から6、7月にかけて見事な朱の婚姻色に染まったアカウオ(ウグイ、ハヤ)が王滝川や支流を遡上し

特定の淵に群れます。抱卵で腹がパンパンになった大きなメスを中心にそれこそ飛んだり跳ねたりひっくり

返ったりの派手な産卵行動を繰り広げます。

昔は川底が見えないほどの大きな群れもあったそうでアカウオの投網漁は初夏の風物詩でした。

けれども木曽地方では川魚といえば岩魚、あまごなどサケ科の上等魚で、コイ科のアカウオは下魚とされ

普段ほとんど食べませんが、一度に沢山獲れるこの時期だけ山椒煮などにされ季節料理として

一般家庭の食卓に上がっていました。

   IMG_2891.JPG          IMG_2900.JPG 

   見事な朱色に変身したアカウオ        下魚でない方の岩魚、あまご

       

性格はそう悪い方ではないけれども内気で器量は決して良くなく、これといった才覚も無く

愛嬌もふりまかず堅実これ一筋に暮らしを立てている女性じゃなかった魚がある日突然、子孫保全に目覚め

一夜で妖艶な姿に大変身し、飲めや唄えの無礼講、大乱交パーティーじゃなかった集団結婚式の主役になる

というのは何だか作り話みたいな本当の話しです。

 

アカウオは不味いというのが通り相場で、「猫跨ぎ」とさえ言う人もいますが、一網打尽ではなく

食べる分だけ釣って調理にキチンと手を掛けてやればそれなりの味わいがあります。

直火でじっくり焼き、煮込むのがコツです。

「要は食材への愛情と処理の手際の問題ですわな。」
                         ・・・・・と今回これだけが言ってみたかったのです。


もしかして、万が一、ひょっとして「その不味い魚を喰いたい」という人がいれば

       今のうちなら何とかできるかもしれません。乞う連絡。  ・・・・・(秀)


 

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